私が自然の中で演奏を始めたのは2005年でした。
サンフランシスコへ単独で演奏の旅へ出た時の事です。現地にロシア人の友人が
いて、
彼がサンフランシスコでのライブをサポートしてくれるという話になって、
現地で段取りをつけてもらえるなら単身でも大丈夫だな、これはチャンスだから行ってみよう
と思い、飛行機のチケットを押さえたんです。
サンフランシスコ住まいのロシア人(ブラッドさん)とどうやって友人になったかというと、
ブラッドさんが沖縄に一人旅に来て、私のライブを撮影してくれたから。
そこで話が盛り上がって、「サンフランシスコに来るなら、いつでもライブをアレンジするよ!」
という彼の言葉を鵜呑みにしたのが始まります。直観という恐ろしいまでの思い込みです。
当時は今ほどネットも発展しておらず、友人とはメールでのやり取りをして、
SNSもMIXIくらいで公開日記のようなページにコメントをつけるスタイルでした。
飛行機チケットも格安航空券を扱っている会社にしらみつぶしに電話して、
1番安いところを押さえました。
今から比べると、かなり手間がかかるし情報を集めるにしても、ほとんどが雑誌とか
地球の歩き方とかで集めるなど、かなり限られていました。
メールでブラッドさんとはやり取りして、ライブの日程とか、場所はどこがあるとか、
やり取りしていていたのですが、どうも返事の歯切れが悪いかったんですね。
ここで「あれ?ライブ何も準備してないかも」って気が付けばいいんですが、
こちらはアメリカでソロライブをやるぞと期待値が高くて、気が付かないふりをして、
話を進めました。
実際にサンフランシスコへ行くと、ライブはいつどこでやるの?と聞くと、
「Nothing!」と返事。はっきり言って、何も決まっておらず、これから決めるという話だったんです。
「ダイジョブ、ダイジョブ、KENGOサン」という言葉を信じて、
じゃぁライブできる場所を探そうと、不思議な旅が始まりました。